旅の終わり・・・
昨晩は広島到着に併せてアラームをかけていましたが、その前に目を覚ましました。
外はすでに明るくなってきており、長大編成の貨物列車とすれ違うのが確認できました。

あれ?

一瞬ですが、その貨物列車の最後尾に赤い機関車が・・・

あ!
今セノハチか~

瀨野~八本松間(通称セノハチ)は22.6パーミルという急勾配で有名な難所です。
その区間の列車は単独で登ることが困難なために、補助機関車として最後尾に連結された電気機関車(セノハチ専用のEF67)が後押しして登ります。
また昔は「ブレーキ」の補助として下り線でも運用されていました。
現在は一部の貨物列車のみですが、昔は旅客列車も補機を連結して運転していました。
そしてさらに「走行開放」といって、登坂後は走行中に連結器を開放して切り離していましたが、現在は行っていません。
機関車の色は、旧型車両のぶどう色2号を除いて直流電機=青、交流電機=ワインレッド、交直両用電機=ローズピンク、ディーゼル=朱色、蒸機=黒が基本となるのですが、このEF67(広島車両所所属)は直流の電気機関車でありながら赤11号という朱色に近い赤に塗られています。

そのEF67が必死に押している一方で、私の乗る「富士・はやぶさ」はカーブで激しいスキール音を響かせて軽快に下っています。
そして列車は広島に停車。
ここ広島駅といえば中国地方有数のターミナル駅ですが、新幹線以外の在来線でこの駅に停車する急行の定期列車は1本もなく、特急の定期列車も「富士・はやぶさ」のみとなっています。
そしてこの「富士・はやぶさ」が廃止されてしまうと、なんと急行と特急の定期列車が1本も停車しない駅(新幹線を除く)となってしまうのです・・・
一方、九州は特急列車の数があまりにも多く、別に「特急」にする必要はないだろうと思う列車もありますよね。

JR九州よ、そこまでして特急料金を徴収したいのか?

それはさておき・・・
その後岩国、柳井と停車します。
ここ柳井では「幻の弁当」が積み込まれます。
それは柳井の仕出し弁当屋が「富士・はやぶさ」のためだけ(になってしまった)に作っています。
内容はいたって普通の幕の内弁当なんですが・・・^^;
そしてその弁当屋のおばちゃんが僅か5,6個の幕の内弁当を列車に積み込んで行くのです。
一日の販売数が僅かで、しかもこの「富士・はやぶさ」でしか買えないところが「幻の弁当」と言われる所以です。
発車してホームを眺めていると、白い調理服を着たおばちゃん(おばあちゃん?)がトボトボ歩いて帰って行きます。

朝早くからお疲れ様です^^

この弁当、積み込まれたはいいが販売は徳山からです。
他の弁当や飲み物などと一緒に売り子さんが徳山で先頭の1号車に乗車してきます。
ですから徳山に着く前に私のいる9号車から1号車まで移動し待機します。
もちろん目当てはその「柳井の幕の内弁当」なのですが、すでに・・・というかやはり先客がいました。
まぁ人数からして買えるのは確実ですが、その後も続々と乗客がやってきます。
そして徳山到着。

「よっこらしょ」と売り子のおばちゃんが車内販売用ワゴンと共に乗車。
準備が終わるや否や「幕の内下さい」の声^^;
私もお茶と一緒に購入し自室に戻り、早速頂きます。



肝心の中身なんですが・・・
撮るのをすっかり忘れてしまって・・・
まぁ普通の幕の内弁当ですよ、ハイ^^;

と、まだ暖かさの残るその弁当を食べているとき列車が突然止まります。
外を見るとどこか小さな駅で停車しています。

どこだ?
こんなところで運転停車はしないし・・・

すると車内放送が・・・

「この先福川~戸田間で枕木が燃えているとの情報が入り、ただいま福川駅にて停車しております。消火作業が終わり、安全が確認でき次第発車いたしますのでしばらくお待ち下さい・・・」

枕木が燃えてるだと?
上り線のを見ると枕木はコンクリートです。
まぁ本線の枕木ではないんだろうな・・・

思いも寄らない場所で抑止を食らってしまいましたが、幸い20分ほどで運転再開。
その後ソロの窓から見ていたのですが、関係者らしき人影はありましたが、どこで燃えていたのか分かりませんでした。

この停車による遅れは23分。
この先遅れが広がることはないだろうが、回復することもないでしょうw

さて、しばらくして通路に出て外を眺めていると・・・

「弁当を買いたいのですが、車内販売は回ってくるんですよね?」と男性から声をかけられます。

そう言えばまだ回ってきてないな・・・

「先頭からの販売でここに来るまでに売り切れる可能性もありますので、待つより買いに向かったほうがいいですよ」と答えると急いで先頭へ歩いていきました。
本来、車内販売はその1号車から後ろに向かって移動していくのですが、弁当目当ての客が1号車に大勢やってきているためなかなか移動できません。
しかも今日は4号車の通路に氷の入った発泡スチロールの箱がいくつも置いてありますので、ワゴンが通るのに一苦労するでしょう。
結局車内販売が回ってきたのはかなりあとのほうでした。
あの男性、ちゃんと弁当買えたかな?

そして気がつくともう下関に到着です。
下りの下関は機関車が撮れますので急いで先頭へ・・・



うーん・・・
人、多すぎ・・・

このあとすぐにホームのうどん屋に行き「ふく天うどん」を購入。
このうどん、機関車交換の間に購入するのが今や定番となっており、急いで行かないと売り切れます(前回売り切れで買えませんでしたw)



ふぐの天ぷらにふぐの形をしたかまぼこ・・・
味はなかなかおいしいですね~
ただ「牧のうどん」に慣れ親しんだ私には、そのスープはちょっと薄いかな?と感じました。

うどんをすすりながら関門トンネルをくぐります。
そして門司に到着するとすぐに機関車を交換し、はやぶさ編成が一足先に熊本を目指して発車します。



しかし4号車の客は大丈夫だろうか?
無事に熊本に着けばいいのだが・・・

そして私はこの位置で「富士」の機関車を待ちます。



やっぱダメだわ^^;
もうお祭りのような賑わいで誰かしらのお顔がバッチリ写ってしまいます・・・
しかしこのギャラリーの多さは子供の頃を思い出します。
門司&下関での機関車交換時、そして東京駅ではカメラを抱えた多くの人がブルートレインを撮っていましたからね~

さぁ、門司を出て西小倉から先は日豊本線に突入。
九州在住の私ですが、日豊線の列車ってあまり乗ったことがないんですよね。
小さい頃に「にちりん」「日南」に1,2回乗っただけです。

その日豊本線をのんびり下っていきます。
そして杵築?(どこか忘れた)でソニックにぶち抜かれます。
ブルトレが他の列車に抜かれるという屈辱はすでに「はやぶさ」で味わっていますので、もう驚きはありません。

その後左手がパッと開けて真っ青な海が・・・



何とかカメラに収めようと努力しましたが、なにせ架線がチラチラ写り込んでくるのでこんな画像しか撮れずwww
目の前の道路は国道10号線。
たくさんの車が海岸線を気持ちよく流しています。

そしてこのあとすぐ、定刻より20分遅れて終点大分に到着。



ここでは日の当たった赤釜を撮影。
隣の真っ青な車両は883系「ソニック」
しかし、この富士のヘッドマーク・・・
剥がれかけているのは前からですが、その範囲がどんどん広がっているような・・・
それに上から塗って補修するのはいいけど、もっと丁寧にやれないものですかね?
こんなところでもブルトレの置かれた状況を思い知らされますねw



東京から17時間40分ほどかけて1260kmあまりを走ってきました。
かつて西鹿児島まで行っていた時代は、東京を18時30分頃発車。
そしてここ大分からさらに6時間以上かけて走り、西駅に着くのは19時頃でした。
以前、リバイバル列車として西鹿児島(鹿児島本線経由)~品川で上り「思い出のはやぶさ号」、品川~西鹿児島(日豊線経由)で下り「懐かしの富士号」なんて列車を某旅行会社が企画したそうですが、またやってくれないかな?

さぁ、名残惜しくてしばらくホームで眺めていましたが、あまり遅くならないよう博多まで戻らねば・・・
とりあえず改札を出て外のドトールコーヒーで一服。
その後窓口で「ソニック」のグリーン席の空席状況を確認。
12:41発のソニック30号にしようと思ったのですが、土曜日の今日は885系「白いソニック」での運転。
885系は以前「白いかもめ」で乗りましたので、今回はどうしても883系に乗りたい・・・
ということでその後の13:14発のソニック32号のグリーンを取りました。

883系といえば九州の列車で初めて導入された振り子式車両。
グリーン車はレザーシートで電動リクライニング・・・
そして「ソニックレディ」が飲み物を運んできてくれます。
ここで感心したのは気配りが非常に行き届いていることですね。
タオルケットを持って「寒くないですか?」と聞いて回り、気になることがあると「大丈夫ですか?」「何かお持ちしましょうか?」と常に回りに気を配っています。
そして揺れる車内でも姿勢良く立ち振る舞い、笑顔も絶えることがありません。

非常に気持ちよく乗っていたのですが、小倉を過ぎて一変します・・・
実は小倉で進行方向が変わるのですが、シートは各々自分で回さないといけません。
しかし私の後ろの客が回さずにずっとそのままなので私は回せません。
ソニックレディが「シートはそのままでよろしいですか?」と聞いていますが、後ろがそのままなので私も仕方なく「ハイ・・・」とw
まぁ別に回しても構わないのですが、その客と向かい合うのも嫌ですからガマンしました。
やはり後ろ向きはダメですね。
気分が悪くなることはありませんが、とにかく違和感ありありです^^;

外は急に天候が悪化してきました。
突然雨が降り出しあちこちで稲光が・・・
途中その雨のため一時停車し、その後はスピードを落としての運転。
結局30分遅れで博多に到着しました。

ブルトレで遅れるのは苦にならない(というか個人的には嬉しい)ですが、他の列車で遅れるのはちっとも嬉しくないですね^^;

さぁ、これで2008年夏「富士・はやぶさ」の旅は終わりです。
公式発表はされていませんが、来年春での廃止はほぼ間違いないようです。
そうなると東海道スジのブルートレインは姿を消すことになります。
今の鉄道事業(だけではありませんが)はスピードや利便性などなど合理化ばかり追い求めているような気がします。
まぁ、確かに事業を成り立たせるためには必要なことかもしれませんが、それによって「鉄道の旅」を楽しめる列車がなくなっていきます。
鉄道の旅といっても、ローカル線でのんびりと・・・とか、最新のテクノロジーを駆使した列車での速く快適な旅・・・などいろいろあると思います。
その中の「長距離、長時間の夜行列車の旅」というものが切り捨てられようとしています。
JR分社化でこのような列車の運行は面倒だし、長距離を走るがゆえ小さなことでもダイヤにも大きく影響します。
そんなブルートレインはまさにJRの厄介者なのですが、他の列車にはない大きな魅力を感じる人も多いと思います。

忙しなく生きているこの世の中、その喧騒の中から飛び出して闇夜を走る列車で遠くまでのんびりと旅をする・・・

なんと贅沢な旅でしょうか^^;

定期ではなく季節運行でもいい。
九州特急の火を消して欲しくない。
九州新幹線開通後のこともありますので「博多」止まりでいい。

そう、あの「あさかぜ」を復活させて欲しい。

そしてその「あさかぜ」に私は乗りたい。

そんな叶いそうもない夢を語ったところでこの旅行記を終わりたいと思います^^


| 鉄道::2008年夏「富士・はやぶさ」の旅 | 23:58 | comments (0) | trackback (0) |
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