我、軍艦島に上陸せり・・・
長崎の常磐桟橋を出航して途中伊王島を経由し、いよいよ軍艦島に到着です。
島の東側にあるドルフィン桟橋に接岸し、乗客はゾロゾロと船を下りていきます・・・




島の一番高い場所にあるのが3号棟。
ここは幹部社員の住宅で、唯一各戸に風呂があったそうです。




ここは炭鉱の総合事務所跡。
レンガの壁は石とコンクリートの塊でできた島の中で一際目立っていたことでしょう・・・




事務所のすぐ東側にある第二竪坑入り口の桟橋跡。
補修作業で足場が組んであるので分かりづらいですが、階段を見ることができます。
毎朝ここを男達が上って仕事場に向かい、夕方真っ黒になって戻ってきていたわけです。
桟橋を渡った先に竪坑を降りるケージと呼ばれるエレベーターに乗って地下に降りていました。
エレベーターといっても囲いも何もない鉄骨で組んだ四角い籠のようなもので、しかも下降速度は秒速8mだとかw
下降というよりもはや落下ですよ・・・




島の護岸にはコンクリートだけでなく、このような石垣もあちこちに残っています。
これは天川(アマカワ)といわれる漆喰で固めたもので、この漆喰はいわばセメントの代用品。
厳しい環境でもこうやって残っているということはすごいことだと思います。




島の南西側に回り込んでいくと破壊された建物群がさらに見えてきます。
台風や荒波による強い風雨などでコンクリート建造物はこのような運命をたどるわけです。




正面中央に見える建物が30号棟と呼ばれる日本最古のRC造集合住宅です。
このような歴史的建造物は是非とも保存してもらいたいと思うのですが、ガイドによると保存は現代の技術を持ってしても不可能だということでした。
つまり、この先倒壊という運命は避けられないということです・・・

コンクリートといえば強固なイメージがありますが、確かに強固な素材です。
しかしコンクリートだけでこのような高層建造物は建てられないわけで、当然補強のために鉄筋や鉄骨を使用します。
鉄筋を補強材としたコンクリートをRC(Reinforced Concrete)構造と呼ぶわけですが、この鉄筋がやられると強固な建物でも崩れ落ちてしまいます。
その鉄筋を守るためにコンクリートの被り厚を多くして保護しているわけですが、それでも塩害・太陽光による熱・凍害などで亀裂が起きたり、二酸化炭素による中性化が配筋部にまで及ぶと鉄筋は錆びてしまいます。
強アルカリのコンクリートで守られていた鉄筋はそのような原因で酸化・腐食し、その錆びた鉄筋は膨張しコンクリートを破壊してさらに侵食が進んでいくわけです。
劣化が軽微であれば補修で対応して“延命”することもできるかもしれませんが、築101年で廃坑以来40年以上放置されてきた30号棟はすでに手の施しようがない状態なわけです。
悲しいことですが、これも運命と今後静かに見守っていくことしかできません・・・




さて、島内ではガイドの方が当時の写真などを手にいろいろ説明をしてくれました。
島民の生活、炭鉱マンの給料、そしてこれら建造物について興味深い話が聞けました。
最盛期には島内の人口は5000人を超え、人口密度は東京特別区の9倍以上だったとか・・・
唯一あったパチンコ屋の台がまだ1台残っているとか・・・
住居用の建物は最大10階建てだったそうですが、その全てにエレベーターは設置されていなかったとか・・・
こんな環境でも凶悪な犯罪はなかったとか・・・

まぁでも、今こんな日本版九龍城みたいな場所に住めと言われてもムリだなぁw


さぁ、かれこれ1時間ほどでしょうか、島内の限られた場所ではありましたが軍艦島を自分の目で見ることができてよかったです。
日本の高度経済成長の一端を担ってきたこの島について少しでも知り、そして感じ、とても有意義な日となりました。

そろそろ船に乗り込んで常磐桟橋に戻ります。
帰りは風と寒さから逃げるように1階の船内に席を取りますw
そして船内で行われたじゃんけん大会ではかみさんが勝ち残ってオリジナルグッズをもらっていました^^
最後まで楽しませてくれた軍艦島コンシェルジュの方達に感謝です・・・



| 旅::軍艦島 | 00:39 | comments (2) | trackback (0) |
コメント
 空と海の青がいいですね。
| モーリン | EMAIL | URL | 17/02/16 14:54 | Muz1DP8. |
この日はホントによく晴れてくれました。
風はとても冷たかったけど絶好の上陸日和でした^^
| ごりぽん | EMAIL | URL | 17/02/16 20:23 | r7aporpk |
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